Photo Gallery Paris of studiojulietta


一瞬を永遠に。JULIETTA LOVES WEDDING

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2010年8月 コダックフォトサロン 旅の記憶 Parisの色

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アシスタントをしていた頃、カメラマンが宝物にしている1枚のプリントを自慢げに見せ
てくれた。アンリ・カルティェ=ブレッソンの有名な作品だった。男の子が両脇に大きな
ワインを抱え得意げな笑顔で歩いているショットだ。
その写真からスナップショットと素晴らしさを学んだ。一枚の写真から少年の家に帰って
からのお母さんとの会話、その夜の家族との夕食風景、ベッドに入った少年の嬉しそうな
寝顔まで自然に頭の中にうかんだ。
パリに行ってみたいと思ったきっかけはこの一枚だった。
パリの街を足の向くままに路地を曲がると何十年も時間が止まったような不思議な色があ
ふれていた。
旅先のシーンの並んだコンタクトシートをセレクトしながら暗室作業を始める。
その場で感じた空気感をどうしたら自分の写真としてプリントに残せるのか。
カラープリントに興味を持った20年ほど前、カラー暗室設備に予算をかけられず、新宿
のヨドバシカメラで処理液バットの保温器を買いステンレスのバットに処理液を張りカラ
ープリントを始めた。皿現像というやつだ。モノクロ処理の経験しかなかった私にとって
カラープリントは新鮮の連続だった。
始めてみるとカラーのプロセスはとてもシンプルで、引伸し機のフィルターのイエローと
マゼンタのカラーバランスを調整すること以外、モノクロとほとんど変わらない。温度管
理が大切と言われるが実際は液温が安定すればそれほど影響はない。
現像処理も発色と漂白と呼ばれる2種類の処理液に露光したカラーペーパーを順番に一定
時間浸すだけだ。ただセーフライトがほとんど真っ暗でほとんどの作業が手探りとなる暗
室に慣れるのには時間がかかった。色々なフィルムや印画紙を使い試行錯誤の連続だった。
デジタル全盛の今、それらがどんどん製造中止となって行く。このような状況ではデジタ
ルに移行した方がいいのかなと思いながら、一昨年の冬、久しぶりにパリを訪れた。夏に個
展を控えていたためデジカメでも撮影をしてきた。が、ネガならではのしっとりとした表
現が自分の記憶のなかのパリに適していたのを再確認した。
私のカラープリントは昔使っていたリバーサルフィルムの、たとえるならコダクローム64
やフジのVelvia50の影響か、グラデーションは柔らかで濃厚な色調に影響されているよう
に思う。私の場合シャドウ部の階調表現のディテールをしっかり出すため、かなりオーバ
ーな露光のネガを作る。柔らかな階調のプリントとハイライト部分の焼き込み作業をして
1枚のプリントが完成している。
デジタル全盛の今、ネガに定着した記憶の残像を暗室で定着させるというアナログならで
はのプロセスでフィルムならではの色を表現してみた。

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